仕事を少ししていて、気がつくと既に真夜中で。
そろそろヤバいと思って電気を消して、寝室のドアを開けると、起きあがっている季蛍がいて。
「…起こしちゃった?」
「…ううん」
「…どうした」
「…なんか痛い」
「…それで起きた?」
頷いた季蛍は、掛け布団に顔を埋めた。
「頭が痛い?」
リビングの電気を消して、変わりに寝室のベッドサイドの電気をつけた。
「…胸が痛い」
「……ドキドキしてる?」
頷いた季蛍は、不安そうに顔を上げて首を傾げた。
「…不整脈かも、心臓が早いもん」
季蛍の隣に潜って、差し出してきた手首を握る。
「この頃体調良かったからな。急に体調悪くなっても薬がないんだよな……」


