……バタン



「…陽ちゃん大丈夫?どうしちゃったのかしら」




「母さん…陽のこと見てた?」





「見てたわよ。午前中は結くんに本読んであげたりしてたんだけどね…午後からずっとそこに」




「…あそこまできたら寝かせるしか。どうしたんだろ、心臓どきどきしてるし…って言ってたけど」




「…それってどういうこと?誰かに恋しちゃってるの?陽ちゃん」



「そういうことじゃないだろ…」



思わずため息が漏れる。



「あ。夕飯そこに置いたわよ」




「ありがと。……動悸がしてるんだよ」




「…動悸?」



ダイニングテーブルの椅子に腰をかけて、水を飲み干す。




「それは何で?体調悪いのかしら」