「季蛍さぁ…吸入してる?しないとだめよ」




「…はい」




「でも顔色そこまで悪くないし。点滴のおかげだね」





「はい」




「…じゃあ喘息聞こえてることは蒼先生に連絡しとくから。家帰ったら薬でも吸入でもやってよ」




「はい」




「ちょ、季蛍」



「……え?」




「ボタン留めてから…」




「…あっ」




白衣の下の服のボタンを慌てて止めた季蛍は、苦笑いをしながら扉へ向かった。




「…じゃあありがとうございました」




「無理すんなよ、今日もまた…」




「わかってますよ~!大丈夫です」






……どこが大丈夫だよ。