起き上がる季蛍の両手が伸びてくるので、それに応えて俺も抱きしめてやる。



……心音聞きつつ。




苦しそうに不規則な呼吸が伝わってきて、思わず頭を撫でてしまう。




「…薬出すから…ちょっと待ってて。そしたら帰ろうか」




「………」





「………泣かないの」




「だっ……ごめ…ん」