──……うつらうつらする季蛍の肩を叩いて起こすと、不機嫌そうに俺を見上げた。
「体起こしたままでいいから右腕出して。
点滴終わったら帰ろ、それまでに俺も終わらせるから」
嫌そうな顔をしつつも右腕がゆっくり伸びてきて、その腕を掴んで入りそうな血管を探す。
「…肩に力入りすぎ。それじゃ痛いよ?」
「……ん、痛くしないで」
「じゃあ力抜いて」
「…ん。」
針を刺して頭を撫でれば、『ありがと』と言葉が返ってきた。
「もうちょっと寝な。終わったら起こすよ」
『うん』と返ってきたものの、季蛍の体は起きたままで一向に横になる気配がない。
「……」
また椅子に座って手元の作業を続けながら眺めていたら、またうつらうつらし始めて。
……子供か。


