‘主治医’の高島先生は厳しい。


 
私の先輩としての先生の時は優しいのに…。




「ま、俺には季蛍の体を管理する義務があるからな。心配すんのもとーぜん」




「…はい」





「だから今日は時間出来たらちゃんと何か口に入れなよ。俺今日午後から出張でいないから」




トントン…と資料を整える音が聞こえて、頷くと高島先生は立ち上がった。




「じゃあ俺先行くよ。…無理すんな」




そう言って医局を出て行く高島先生の後ろ姿を見て、前言撤回しようかと思った。