手元の水のペットボトルが倒れて、床に水がこぼれた。
「あら、大丈夫?」
隣のおばさんの声が聞こえて、頷くものの…声は遠ざかっていくばかりだった。
「…誰か医者呼んだ方がいいんじゃないの?」
「あの子苦しそうにしてるわよ」
そんな声も…どんどん遠ざかっていく。
「…あ、皆さん大丈夫ですよ。先生来るので大丈夫です」
聞き慣れた看護士さんの声に少し安心したら、体の力がホッと抜けた気がした。
「愛優、…愛優」
「……ん、ッハァ…」
目の前にはしゃがむパパがぼんやり見える。
「ちょっといい?…ごめん」
ブラウスを引っ張られて、スカートからブラウスが抜かれて。
ブラウスの裾から聴診器が入る。
「……喘息だな…愛優、もうちょっと頑張って」
頷くと体が浮いて、力の完全に入らない体を抱え上げられて。


