「千夏ちゃん…だよね?先生覚えてるよ」
奥から出てきた蒼は、千夏ちゃんの顔を見て微笑んで。
「…先生検査頼まれちゃった、診察終わったら呼びに来るね」
何度か頷いた千夏ちゃんは、少し笑って私に視線を戻す。
「前も病院来たことあるの?ここに」
「…喘息のときに」
「あ、そうなんだ。…今から診察してくけど、楽にしててね」
「あ、はい」
さっきから呼び出していたのに、あっちこっちで呼び出されていた高島先生がようやく来て。
点滴を刺してくれた。
「…季蛍今日大丈夫?」
部屋を出る間際振り返って言う高島先生。
「大丈夫です、昨日の薬で下がったんです」
「そう、よかった!」