「名前、何て言うの?」




「…かわ………ちな……」




ベッドに横たわっている彼女の顔を覗き込んで聞くけど、小さな声でもぞもぞ返ってくるだけ。




…それだけ具合が悪いのかな?




「あ!季蛍先生、すみません。中学二年生の川瀬千夏さんです」



「ありがとう…研修医の子が追いやっちゃったのって千夏ちゃん?」




「そうです…救急車で搬送されてきたんですけど…救急センターで診るほどじゃないって内科に回されちゃって」




「そうなんですか、わかりました」




「救急センターでは見送られちゃったんですけど…結構酷い怪我と症状が見られるそうなので。よろしくお願いします」




「わかった」