「いや、来たって言うか…いや、来てないです」



「季蛍に言われたの?言うなって」




患者さん用の椅子に座ってグイグイ迫ってくる蒼先生。




「…い、われました」




「ふうん。…季蛍体調悪いの?」




「…んー…そうでもないです」




「…高島のそうでもないってどれくらいかわかんないしなー」




「信用されてないんですか~?僕」




「そんなことないけど…」




季蛍のカルテを探り出して、『あ』と声を上げてパソコンに寄る蒼先生。




「…喘息止めだしてんじゃん」




「微熱と咳があったから一応出したんです」




「そうなんだ。…喘息の発作もこの頃落ち着いてるんだけどね~」




「そうなんですよー…だからできるだけ薬飲んで欲しくて」




「…高島ありがと、季蛍に連絡入れてみる。じゃ、お疲れ様」




「あ、お疲れ様です」