さっき季蛍から受け取った紙を眺めながら、カルテを確認していると、扉がノックされた。
「失礼しまーす」
聞き覚えある声に、手を止めて振り返る。
「蒼先生」
「よ!お疲れさん。……ほうこーく」
「何ですか…?」
「明日の会議、出て欲しいって」
「…あ、会議なんてありましたっけ?」
「ううん。臨時会議」
「あー…そうなんですか。わかりました」
「…高島帰らないの?」
「あー…これ終わらせてから」
「そう。…お疲れ様」
「お疲れ様です…あ、蒼先生」
扉に手をかけた蒼先生が振り返って首を傾げる。
「…ん?」
「季蛍先帰りました。伝えておいてって言われたので」
「ん?何、季蛍ここにきたの?」
「はい……あ、いや…来てないです」
「…え?」