聴診器を抜いてボタンを留めてやると、不安そうに顔を覗き込んできた季蛍。 「…喘鳴聞こえなかった」 「よかった…」 ホッと小さくため息をついて、季蛍は服装を整える。 「…ちょっとそこにいて、処方箋すぐかくから」 「あ、はい」 「…季蛍久しぶりだね、熱出すの。カルテにもかかれてるけど前回大分前だし」 「…いい調子だったんですけどね」 「でもまだ微熱だから。…薬飲んでおとなしくしてろ」 「…はい」