「蒼先生がいないと頑張っちゃう子だね、季蛍は」
「………」
ベッドに座る季蛍の方を振り返ると、俯いていて。
「ちょっと待って、今処方箋かいてあげるから。熱測っといて」
「…37度です。さっき測りました…医局で」
「…あ、そう。蒼先生は今どこ?仕事?」
「回診中です」
「あー…そう」
季蛍のカルテを眺めていると、後ろで咳込むのが聞こえて。
「…最近喘息出てないし順調だったんだけどな」
カルテを見て呟くと
『喘息とは当分縁切ってたんですけどね…』
と小さな声が聞こえた。
「蒼先生家にいなかった分1人で頑張っちゃったんでしょ?結果こうだし」
「…別に」