玄関で季蛍さんを見送った俺は、点滴片手に寝室へ。


「…点滴するから一眠りしな。起きたらケーキ食べよ」




「…ん」




「点滴が終わる頃には楽になってるから」




「…うん」




背の高いハンガー掛けに点滴を掛けて、凜の細い腕を見て。




「…刺すよ」



「…痛くしないでよ」




「針なんだから痛いものなんです」




無事針が刺さると、凜はまた目を潤ませる。



「…泣く前に目瞑って寝ろ」




「…ん」




熱が下がってくれることを祈りながら、辛そうな凜の頭を撫でた。