「凜、終わった。…なんでそんな泣きそうな目するの」
「…だっ……」
「…辛そう」
ポツリと呟いた季蛍さんは、無意識にか箱を閉じた。
「…ケーキ、置いていきます。私…あんまりいても凜頑張らせることになるから…帰ります」
「い…の、私大丈夫」
「ううん、眠った方がいいよ。目真っ赤だし」
季蛍さんは俺を見ると
「お邪魔しました、…ケーキ届けられて良かったです」
と微笑んだ。
「…ごめんね、何のおもてなしもできなくて」
「いいんです!…今度またゆっくり」
「そうだね…」
「じゃあ、お邪魔しました。凜お大事に」
「ありがと」