洗面所で髪を解かしていたら、奏太が顔を出して。



「…頭痛くないの?」



「別に」




「…仕事行けるの?」





「大丈夫」




「…そ。まぁなんかあったら連絡頂戴」





「…仕事中の奏太に電話かけられる訳ないでしょ」




「そうだけど。夜迎えに行ってあげるよ?」




「……」




「まぁいいならいいんだけど」




そう言って洗面所から去る奏太のことを見届けて、何だかんだ優しいと思った。