コンコン……───
──ガラ…ガラ…ガラガラ……───
「失礼します…寝てるかな」
「どうでしょう…?」
蒼先生の声と、1人の看護師らしき人の声が聞こえた。
起きあがろうと思って腰を上げた。
グイ…と体を持ち上げて、体を起こすと…。
「…あ、島内さん」
沸き上がってくるような吐き気に、思わず口を押さえた。
……んだけど。
ポタ…と布団に赤い滴が垂れた。
「島内さん」
「…せんせ」
「島内さん我慢しないで?」
タオルを口元に押さえられたんだけど…その視界もぼやけてきた。
そんな視界の中、タオルを押さえてくれている蒼先生がぼんやりと見えて。
また、意識が途切れた。