「悪い、一日だけ。午後迎えにくる」
港が結をお母さんに預けて、私も軽く会釈する
。
「私のことはいいのよ、結くんちゃんと見てるから。それより陽ちゃん、大丈夫だといいわね」
「…はい」
「じゃ、よろしく…」
そういって扉が閉められると、港はくるりと方向を変えた。
「行こ、約束の時間もうすぐだから」
「港……私病院行きたくない」
「陽……だいじょぶ、俺も隣にいるから」
「……やだ」
前に進む港の服を掴んだら、思わず目に涙が浮かぶ。
「…結の面倒だって陽が元気じゃなきゃ」
「も…吐かないから……病院…行きたくない」
「でも今朝も吐いたろ…?先生に診てもらおう?」
「……」
「おいで」