「僕じゃない…」
「じゃあ俺か?……急変かなぁ」
そういって港が白衣のポケットによって手を突っ込むけど、
「違う…」
とまた箸を持つので
「俺かよ」
とポケットを探った。
「はい」
「蒼先生~、お昼時すみません」
「どうした?」
「患者さんが…痛み止めが効かないって言って痛がってらっしゃるんですけど」
「…わかった。さっき入れた気もする」
「入れました」
看護師の苦笑いが嫌でもわかる。
「何でだろ、まぁ今行くね」
「すみません…」
「はーい、じゃ、あとで」
「……何、急変?」
「んー。よくわからん…痛み止めが効かないらしい」
「ふうん……」
美味しそうに箸を進める高島を見つめると、
「わかってますよ~片づけですよね?しときますよ。早く行って下さいよ~」
そう笑って俺の背中を押した。
「はは、ごめんね。ありがと」
「蒼早く」
港も笑いながらせかすので
「わかってるよ、行くって」
水を飲み干してから、患者さんの元へ急いだ。