先に車に乗った季蛍は、目を瞑った。
俺は携帯電話片手に、車の外に出て。
かけた相手はもちろん…。
「……もしもし?」
「高島…どう?季蛍と話できた?」
「…あぁ…まぁできました。あんまり答えてはくれなかったですけど」
「なんか季蛍顔赤いよね?」
「赤いですよね。…これから熱が出るとか…そういうのじゃなきゃいいんですけどね」
「…そうだな。」
「昨日の夜中、胸が痛むって言ってたの…あれちょっと不整脈かもしれませんね。
自分でも脈が飛ぶってわかってるみたいで」
「そう…」
「でもまぁ…この頃体調良かったですから。回復も早ければいいんですけどね」
「まぁいまの所熱もないしな…とりあえず様子みてみる」
「お願いします……」