「…昨日来てくれたお友達が、果織のこと仮病で入院してるんだって言ってきて…。


友達いないから学校来ないんだろって…逃げてんだろってバカにされて…。


毎日薬飲んで頑張ってるって言っても…どうせ治んないんだろって言われて…」





母親の手当をしていた奏太の手が止まって、目線は果織ちゃんに向けられていた。




「…も、入院なんてしたくない。皆と同じように学校行きたい。…私だけなんで…こう…なの」





果織ちゃんの涙が、ぬいぐるみを濡らしていく。




ポタ…ポタ…と音をたてて布団に落ちていく。





母親の鼻をすする音も聞こえて、奏太はハンカチを手渡していて。




「…どうして私だけ皆と同じじゃないの?学校に行きたいよ、私も行きたい…」