「…はい、奢り」




缶コーヒーを投げられて、危うく落としそうになる。




「…ありがと」




すがすがしい風が、屋上に吹いた。





屋上のフェンスに体を預けた港は、ふぅとため息をついて。




「……平等だよな、何もかも」




缶コーヒーがプチ…と開けられると、港は真っ直ぐ遠くを見つめて言った。