プチ…プチとボタンを開けた陽の服の中に、聴診器を入れて。




「…目逸らさないの。」





泣いて赤くなった目をじっと見つめながら、不規則に伝わる心音を聞いて。





恥ずかしいのか目を逸らそうとするけど。




なぜか目が離せない。




あぁ、本当にママになったんだ。
お母さんになったんだ、って目をしてた。




「いいよ。いずれは俺じゃなくて…山瀬のとこにも行かないとね?」





「…やだッ!!山瀬先生のとこなら私行かない」






「主治医は山瀬で俺じゃない。…俺が決められることじゃないから」




「……。」