───「蒼先生ー!!いいですよ」




診察室から顔を覗かせた高島は、待合室に座っていた俺に声をかけた。





「…あれ、季蛍寝てるんですか?」




「ううん、起きてる。寝たふり季蛍さん」





「…嫌だからですか」





「そ。朝からご機嫌斜めなんだよね、季蛍さんは」





「季蛍おいで。…順番来たよ」





蒼先生が立てば季蛍も蒼先生の服を握って立ち上がった。