「ごめん。…言い過ぎた」
俯く私の頭に手が置かれた。
「…季蛍確かに自分の体調に気づかないことよくあるだろ?
…俺、それで季蛍が入院するだとか喘息が悪化しちゃうとか…あると嫌だから心配してんの。
…でも言い過ぎたね、ごめんね」
トントン頭を撫でられて、止まらない涙が服を濡らした。
「あー…何泣かせてんの、俺」
困ったように私の頬を伝う涙を何度も拭ってくれる蒼。
「ついかっとなっちゃった。…ごめんって」
そんな困り顔の蒼を見てると申し訳ない。
「ここで食べるか、マフィン」
懐かしいラッピングに包まれたマフィンを一つ、蒼が開けた。
「…ほら」
「あり…がと」
こうして私を笑顔にさせるマフィンは、なんだか特別な気がする。