キッチンから出てきたお母さんは、私が蒼に抱きしめられてるとでも思ったのか、少し戸惑った表情を見せて。
「離して…!」
「2錠って言ってんだろ?」
「季蛍ちゃん泣かせちゃだめよ?」
「泣かせてない」
「……やだあああッ!!!」
「あー………もう…。」
バタバタする私の体をひょいと抱えて、今度はあぐらをかく蒼の足の中。
「…逃がさないからな、飲むまで」
「季蛍ちゃんも大変ね…過保護な旦那さんで」
「………」
「蒼…いいじゃない、薬ぐらい後でも」
「母さんにとっては薬ぐらい…でも季蛍にとっては大事なの」
「……あはは、季蛍ちゃん大切にされてるわね」
お母さんも呆れたような顔だったけど、大切にされていると言われれば、なんだか嬉しかった。


