「季蛍ちゃん、後少しで焼きあがるから」
お母さんがキッチンから戻ってきて、目の前に座った。
「あ、はい」
「……何で蒼は季蛍ちゃんを眺めてるの?」
お母さんは不思議そうに手を拭きながら言った。
「…いや」
「食べてるところもみたいの?あんた」
「違うよ……そんな変な趣味じゃない」
「……ふうん?」
「…気分悪そうだけどどこまで頑張るのかなって思ってんの」
「…そう?私にはいつもの季蛍ちゃんにしか見えないけど」
2人して私を見てくるから、恥ずかしくなっう俯いた。
「…あ。ごめんね、季蛍ちゃん」
「母さんまで見つめる必要ないだろ…」
「蒼だけの季蛍ちゃんじゃないのよ、私の季蛍ちゃんでもあるんだから」
「物じゃないんだからさ…」
「……。ごめんね、季蛍ちゃん」
その言葉に、ふりふりと首を振る。


