「そーやって過保護な所すぐ発揮するー」
嫌そうに振り返った季蛍は、俺を見て言った。
「そんな過保護な所に助けてもらったことだってあるでしょ」
「…あるけど」
「高島に言った?昨日のこと」
「…言ってない」
「言えよ、…薬飲むぐらいだったんだから」
「……」
「あっ、高島ー!!」
「蒼先生?おはようございまーす」
「おはよう、季蛍が昨日頭が痛いって薬飲んだんだけど」
「…あれ、そうなんですか」
なんて言いながら、高島はナースステーションの机に置かれたお饅頭を眺めた。
「……聞いてる?」
「えぇ?聞いてますよ~」
「……夜中も起きて胸痛いって…」
高島は聞いてるんだか聞いてないんだかわからない顔をして、お饅頭を一つ手に取った。
「あのねぇ……」
「聞いてますよ?……夜中胸痛いって起きたんですよね?」
「…そう」
「まぁ大丈夫です。季蛍最近体調いいから」
「…まぁ…な」