──ガチャ
夏来の言葉に頭を悩ませていたら、寝室が開いて眠っていた季蛍が起きてきた。
「マーマ!!お熱あるん?」
「あは、夏だ。……大丈夫…だよ、ありがとね、夏来」
そういって季蛍は夏来の頭を撫でる。
「…季蛍」
呼ぶと体をビクリとさせて反応した。
……そこまで驚かなくても。
「熱、計って」
「…大丈夫。もう大分良くなったから」
「…。夏来、これママに渡して?」
「…ピピピするの?」
「んふ、そう。…ママ計ってって言って渡してきて」
そういうとぎこちない歩き方で季蛍の元へ行って。
必死に腕を伸ばして季蛍に渡していた。
それには季蛍も笑って体温計を受け取って。
「わかったよ、夏。計るね」


