「…喘鳴が聞こえる。多分季蛍薬今朝飲んだんじゃないかな?見てないけど」
聴診器を外した蒼先生はくるりと振り返って。
「…どうしてですか?」
「今朝玄関に水が入ったコップがあった。…愛優は朝食のときに飲んでるの見たから季蛍だな」
「…愛優ちゃん…って喘息酷い…ですか?」
「いや、最近はそんなことないんじゃかいかなぁ…薬飲んでるのは見かけるけど……苦しそうにしてるのは最近見ないな」
「そうなんですか」
「そう言えば高島の奥さん……ほら、友那さん?元気?」
「あ、元気ですよ。でも…なんかドジみたいなんですよね、友那。よく傷作って帰ってきます」
「傷?」
「料理中に指切って帰ってきたり…火傷して帰ってきたり。パティシエのくせにドジだから。
…まぁ…いいんですけど」
「高島にやけすぎ」
「に、…にやけてなんかないです」
「にやけてる。……ほら」
「蒼先生!」
「はは、耳真っ赤」


