少年が通り過ぎるのを俯きながらじっと待っていると、目の前に人の気配を感じた。 見上げるより先に声が頭上から声が聞こえた。 「お前そこで何してんの?」 冷たく言い放ったその声の発信源は、先ほどの少年でした。 『えっ、いや...ちょっと』 まさか立ち止まるとは思ってなかった予想外の出来事に焦って目を泳がせながらコミュ障並みの返事を返した。 「...ふーん。ここの生徒?」 『あっ、はい』 興味なさそうに聞いてくるこの少年に、思わず敬語で返してしまう。 なんか嫌だこの人。