いつものように不機嫌そうに顔をしかめているくせに、顔は茹蛸みたいに真っ赤で、そんな彼がおかしくて、思わず吹き出してしまうと
『笑ってんじゃねぇよ』
彼はわたしのおでこをこつんとつついた
そしてやっと決心がついたのか、顔はまだ真っ赤だが、まっすぐわたしの目を見てきた
『…い、一度しか言わないからちゃんと聞いてろよ。
お、お前は昔からチビだし、全然可愛くない
要領だって悪いし、手だって不器用ってレベルじゃない
正直言って誰もお前のことなんか好きにならない
だけど…俺は…俺だけはお前のこと心から愛してやれるから
クズみたいなお前を嫁として娶ってやってもいいからな』
それは彼の口から発せられた初めての愛の言葉だった

