彼の話は尽きることなく、延々にわたしの悪口を言ってくるので、慣れているとはいえ人間、自分の悪口を聞かされて、機嫌がよくなるやつなんていない
『お前、本当に昔からチビでブサイクだったよな』
『えぇー、そうですよ』
『ブスの癖に一丁前に人を好きになりやがって、案の定振られて』
『そうですねー、振られましたねー』
『家事は出来ないし、料理も下手くそ』
『悪かったですね、何も出来なくて』
『だから…、そんなお前を嫁にしてやれるのは俺ぐらいなんだよ』
『あぁー、そうですね。わたしみたいな女を嫁にしてくれるのは…って、は?』
適当に相槌を打っていたので、突然の発言に驚いて、彼の方を見る
いつものと同じなのだが、わたしに向ける視線はどこか真剣なもので、思わず胸がドキドキと高鳴る

