時が流れるのはとても早く、わたしたちは二人とも大学を卒業し、今は仕事で忙しい毎日だった
大学を卒業した後、同棲を始めたのだが、バタバタしてしまい、中々二人で一緒にいることが出来なく、すれ違う毎日
そんな中、彼が珍しくわたしに言いたいことがあるらしく、その日は早目に帰って来いと言われた
今度はいったい何を言われるんだと少しだけ億劫だったが、すっぽかすとあとで何をされるのかがわからないので、彼に言われたとおり、わたしはいつもより早い時間に仕事を終わらせ、帰宅した
家に帰ってみると、本当に何があったのかわからないが、滅多に台所に立たない彼が夕食の準備をしていて
熱でもあるのかと聞いてみたが、いつものように不機嫌な顔して
『うっさい、バカ。お前はとっとと風呂にでも入って来い、ブス』
もうすっかり慣れてしまった暴言を吐かれたので、わたしは大人しくお風呂に向かった
お風呂から出ると、自分が作ったものより数倍も美味しそうな夕食がテーブルに並べられており、しかも悔しいことに味も断然わたしのなんかより美味しく
食事中も散々わたしの作った料理が如何に不味いものかと熱弁され、こんなことになるぐらいだったら早く帰ってくるんじゃなかったと、心の中で後悔した

