幼馴染み~初恋物語~

「抜かされてたまるかよっ」

「うわっ!!!!」

清山が斜めに走ってきて、和樹に向かってぶつかって体操服を思いっきり引っ張った。

体の小さな和樹の方が当たり負けして、横に飛ばされてしまったところがゴール。

負けた…………

清山軍団に…………

清山が3位でゴール。和樹は4位でゴールする事になった。

和樹はゴール地点で立ち竦み、必死に応援してくれていた修、愛瑠、櫻を見ると、涙が溢れてくる。

そんな和樹に清山が寄ってきて、勝ち誇ったように言ってきた。

「ざまぁみろっ!!俺達の勝ちだな?アハハハっ!!」

「わざとぶつかって来て、服を引っ張ったくせに、何が勝ちだよっ!!」

和樹が何を言っても負けは負け。

修と愛瑠は、「今のわざとぶつかったっ!!」と抗議しているが、櫻はまた体育座りをして顔を伏せた。

転んだ自分を責めている櫻の様子が、和樹にも伝わってくる。

櫻ちゃんのせいじゃないよ…………

もう少し、僕が気をつけて走っていれば…………

勝ちたかった…………

こんな奴らに負けたくなかった…………