幼馴染み~初恋物語~

清山が転がったバトンを拾ってる間に、修がバトンを受け取って先頭になった。

「和樹ーっ!!負けんなよ~?」

そう言ってから、修は走っていった。

清山が走り出した時、和樹との差は10メートルほど。

「これなら負けないっ!!いくぞーっ!!」

気合いを入れた和樹はバトンを受け取って必死に走ると、最終コーナーで和樹は清山の後ろまで追い付いた。

直線に入った和樹の目に、愛瑠が立ち上がって応援しているのが見える。

修も先にゴールして、和樹を応援している様子も見える。

そして泣いていたはずの櫻も、立ち上がって、ぴょんぴょん跳ねながら、大声で「和樹くーんっ!!」と言っているのが聞こえた。

もう少し…………

絶対に抜いて見せる…………

気持ちも身体能力も和樹の方が上なのに、清山は後ろばかり見ながら走っていて、手を横に大きく振って邪魔をしてくるので、なかなか抜けない。

それでも和樹が清山から離れたコースを走って追い抜こうと並んだ時、清山が大きく斜めに走り出した。