だまれっと叫んだ和樹は、この時、母親の言葉を思い出していた。
女の子は弱いから、泣いてしまう事もあるけど、その時は和樹がしっかり守ってあげるんだよ?
そうだ…………
お母さんがこう言ってた…………
もう櫻ちゃんがいじめられないように、守ってあげるんだっ!!
和樹はフットサルを習っているものの、空手を習っているゴリに勝てる気がしないというのが本音。
でも、ここで引き下がれないので、和樹はゴリの体操服を掴んで、とっ組み合いの喧嘩が始まりそうになっていた。
櫻が止めようと和樹を押さえた時、愛瑠と修もやって来る。
「和樹っ!!やめとけよっ!!」
「修君?こいつら、櫻ちゃんをいじめたんだっ!!絶対に許さないっ!!」
「もう私の事はいいよっ!!和樹くんっ!!喧嘩はダメだよっ!!」
「愛瑠も悔しかったけど、我慢したんだからっ!!」
3人がかりで止められると、和樹はとりあえず落ち着いて、捨て台詞を吐いた。
「お前ら…………絶対に許さないからな…………?」


