「3バカトリオっ!!櫻ちゃんにあやまれーっ!!」

愛瑠が叫ぶものの、男の足にはかなわない。

息を切らした二人を、清山軍団はバカにし続ける。

「あいつら、チビ馬とたこ踊りだな?」

櫻は小さくて、ポニーテールにしてるから、チビ馬。

愛瑠はダンスをしているから、たこ踊り。

なんともネーミングセンスのない名前だが、あだ名をつけられた方はたまったもんじゃない。

「チビじゃなーいっ!!背の順、前から3番目だからっ!!」

「愛瑠だって、たこ踊りじゃないっ!!3バカトリオっ!!覚えてなさいよーっ!!」

「俺達バカだから覚えられねぇよーっ!!アハハハハっ!!」

授業が始まって、体育座りして集合している間も、櫻の後ろから小さな石が飛んできた。

櫻が後ろを向くと、明らかに清山が全然違う方を見ている。

間違いなく…………

清山君がやってる…………

その時、先生の声が聞こえた。

「星野 櫻っ!!ちゃんと前を向きなさいっ!!」

「あっ…………はい…………」

しょんぼりとして前を向いた櫻の後ろから、クスクスと笑う声が聞こえてくる。

「怒られてやんの…………チビ馬の奴…………」