幼馴染み~初恋物語~

いつだって女の子は、自分に非があるとわかっていても、少しだけ人のせいにして、自分を正当化したいもの。

それは大人も子供も同じ。

強引に誘われたから。

強引に連れていかれたから。

少し気になるイケメン少年から受ける壁ドンでのキスなんて、そんな言い訳の典型的な例。

急に迫られて、逃げられなかったから。

少しだけ自分に言い訳ができた櫻は、納得して家に帰る事に決めた。

和樹君と一緒に帰って…………

ママに謝ろう…………

いっぱい怒られるんだろうなぁ…………

そんな泣き顔の櫻に、和樹は真剣な眼差しを向ける。

「僕も櫻ちゃんと、遅くまで遊んでたんだから、一緒に謝るからね?だからもう泣かないで?」

「うん…………バカって言って、ごめんね…………」

「ううん。僕の方こそ怒ってごめん…………」

少しぐらい喧嘩になったって、二人は幼い頃から一緒に遊んできた幼馴染み。

和樹が怒鳴っても、櫻がバカって言っても、すぐに仲直りできる。

こうして櫻の家に帰って、二人で謝る事になり、自転車で少し暗くなった道を、自転車で向かうのだった。