幼馴染み~初恋物語~

いらない子だと言われて、どこかへ行ってしまった櫻を心配する和樹や親達は、慌てて探しに出掛けた。

近所のコンビニや、公園を探してみるものの、櫻は見つからない。

そこで和樹は閃いた。

「僕、櫻ちゃんの居場所わかるかも知れないから探してくるっ!!」

「待ちなさいっ!!こんな時間に1人じゃ危ないからっ!!」

「僕は男だから大丈夫っ!!でも櫻ちゃんは女だから、きっと暗くなると怖いと思うんだっ!!」

和樹は走りながらそう言い残して、親の制止を振り切り、自転車を取りに家に戻る。

斜め向かいの櫻の家の玄関先を見ると、櫻の自転車はない。

きっと間違いないはずだ。

そう思って、和樹は自転車を必死に漕いで裏山へと向かった。

すると和樹の耳に、夕立の前兆の雷の音が聞こえてくる。

ゴロゴロッ!!

ゴロゴロッ!!

「雷…………怖いよぉ…………」

脅えながらも必死に裏山を目指す和樹。

早くしないと雨が降ってきちゃうよ…………

櫻ちゃんも雷が怖いんだろうなぁ…………

そんな事を考えながら和樹は裏山の洞穴に到着した。