幼馴染み~初恋物語~

感慨深く聞いていた和樹の肩を龍聖が叩いた。

「喧嘩をする時もあるけど、ずっと好きなのは和樹だって…………
本当にその通りだな?俺は櫻と高校も違うし、二人の恋を見届けられないけど、幸せにしてやれよ…………?」

「龍聖…………」

「将来サッカー選手になった時は、スタンドに応援に行ってやるよ…………その時に櫻も応援してるといいな…………?」

「あぁ…………色々とありがとうな」

和樹が手を差し伸べると、龍聖が握手を交わした。

「じゃあな…………?」

背を向けて去っていく龍聖に、櫻が言った。

「今までいっぱい優しくしてくれてありがとーっ!!」

すると、龍聖はポケットに入れていた右手を出して、軽く手を上げた。

櫻…………

今度は幸せにしてもらうんだぞ…………

和樹…………

次に櫻を泣かせたら、本当に奪うぞ…………

こうして龍聖なりに、和樹の船出を祝って帰っていった。