幼馴染み~初恋物語~

象の上に取り付けられた籠に二人が並んで乗ると、象がその付近を一周する。

「和樹君?写真取ろうよ~?」

「うんっ!!」

櫻が和樹の頬に顔を寄せて1枚。

肩に頭をもたれさせて1枚。

二人でピースして1枚。

携帯でどんどん撮影していく櫻。

きっと二人きりになれる時間は、半年後になるか、それとも1年後か、もっと先になるかも知れない。

二人きりになって甘えたり、好きとか囁いてほしいなんて気持ちもあるが、一切それらしい事はしなかった。

和樹ともっと一緒にいたい。

早く迎えに来てほしい。

そんな和樹の負担になる言葉は言えない。

これから名門のサッカー部で鍛えて、プロを目指すのだから。

だから櫻は和樹と一緒にいる気分を少しでも味わえるようにと、写メを撮り貯めていく。

その時、和樹が真剣な眼差しで、櫻に驚きの言葉を言った。