幼馴染み~初恋物語~

象の上に籠が置かれて、そこに人が乗っているのを見つけた櫻は、和樹の手を引っ張って走り出した。

「私、あれに乗りたいっ!!」

「慌てるなって」

櫻はなぜか急いでいた。

移動時間を走れば、動物を見る時間が長くなる…………

早く見終わったら、少しでも話ができる…………

もっともっと和樹君との思い出が欲しいから…………

そんな理由で急いでいたのだ。

和樹はそんな気持ちに気付く事なく、元気な櫻を眺めていた。

櫻ってやっぱり可愛い…………

子供の頃から結局、ずっと好きだったんだな…………

3年後、地元に帰って来た時は女子大生か…………?

それともOLでもしてるのか…………?

必ず迎えに来るからな…………

恋人という肩書きがなくても、お互いの心は繋がっていた。