幼馴染み~初恋物語~

1週間後の夏休み終盤。

和樹と櫻は早朝から電車に乗って、プールに向かっていた。

「朝ご飯食べたら英語の単語を覚えるんだよ?」

「わかってるって…………」

電車に乗っていても、櫻は家庭教師のお姉さん。

ちょっと面倒くさい。

でも和樹が高校に受かるために一生懸命なのだ。

櫻の手作りのお弁当を、電車の中で食べる時間は楽しいひととき。

「和樹君、トンカツ好きでしょ?」

櫻が自分のトンカツを和樹のお弁当箱に乗せると、ニコッと微笑んだ。

「俺、トンカツ大好きっ」

「そうでしょ?昔からずっと一緒にいるから知ってるよ?」

櫻の首には春に和樹に買ってもらったネックレスが、今日も輝いている。

それを見た和樹が、少し暗い表情を見せた。

「どうしたの?ご飯食べ終わったら勉強するの嫌?」

「ううん。そんなんじゃないよ?櫻と勉強しなきゃな?」