幼馴染み~初恋物語~

「もしもし。試合見てくれた?」

何事もなかったような和樹の声に安堵する櫻。

「残念だったね?優勝できなくて…………」

「うん。仕方ないよ。さすがに全国大会を優勝するのは簡単じゃないよ?」

「そっか…………和樹君でも無理なんだ…………」

有紗の事を聞こうかどうしようか?と迷っていると、和樹が言ってきた。

「さっきさぁ?電車から凄い滑り台のプールが見えたんだ。家から2時間くらいかかるかも知れないけど、来週にでも一緒に行かないか?」

「行くーっ!!絶対に行くーっ!!でもそれが終わったら、ちゃんと勉強しなきゃダメだからね?」

「わかってるよ?」

プールに誘ってくれるのだから、有紗の事はきっと大丈夫。

どんな言葉よりも、和樹にデートに誘われる方が嬉しい。

そして電話を切る前に、櫻は必ず同じ事を言う。

「頑張って勉強して、一緒に西高行こうね?」

その時、一瞬間があってから和樹は小さく言った。

「……………………うん……………………」

あれ…………?

ちょっと聞こえにくかったのかな…………?

そのくらいにしか考えていない櫻だった。