幼馴染み~初恋物語~

「ありがとう。3点なんてなかなか取れないけど、今日は運が良かったな?」

和樹が有紗と仲良く話しているだけで、やっぱり嫌な気持ちになる。

それだけでも充分過ぎるほど嫌なのに、有紗はさらに和樹を誘った。

「ねぇ?駅まで一緒に帰ろ~?」

「えっ…………いや…………」

もう近付かないでと頼んだはずなのに、有紗には何の効力もなかった。

「今日は和樹君が頑張ったから、帰りに何か食べていく?私がご馳走するからさ?」

強引に有紗に言いくるめられて、ついて行ってしまう和樹を、 寂しそうな目で眺めていた櫻。

あんなに強引に誘われたら、断れないよね…………

真優ちゃんと一緒に帰ろっと…………

櫻が後ろを振り返って、真優の元に行こうとした時、大きな声が聞こえてきた。

「待てよっ!!櫻に悲しそうな顔をさせるなって前にも言っただろっ!!」

「龍聖君っ!!」