幼馴染み~初恋物語~

「はぁ…………行っちゃった…………」

一人で立ち尽くす櫻の肩を誰かが叩いた。

「一人で何をしてるんだ…………?」

龍聖がひとりぼっちの櫻を見かけてやって来たのだ。

「あの…………有紗ちゃんが観覧車に乗るって、和樹君を連れてちゃって…………」

涙目の櫻の手を引っ張った龍聖が、強引に観覧車に向かって歩き始めた。

「ちょっとっ!!どこに行くのーっ!!」

「大人しく俺について来いっ!!」

二人が観覧車の前に到着すると、和樹と有紗が観覧車に乗る所だった。

櫻の目の前で、ゴンドラの扉が閉まった。

「間に合わなかった…………」

それでもなんとなく、有紗に何か言われる事がなくて、ほっとする櫻。