幼馴染み~初恋物語~

次に来たのは、遊園地の真ん中の森にそびえ立つ白雪姫の大きなお城。

この森の側でお城をバックに写メを撮る人が多い、遊園地の人気スポットだ。

和樹と櫻も一緒に撮ろうとした時、こんな話をした。

「幼稚園の時に私が白雪姫の役をやって、和樹君は小人の役だったね?」

「そうだったっけ?櫻が泣いてる記憶しかないけど?」

またいつものようにからかう和樹の背中を、櫻がトントンと数回叩いた。

「何でそんな事ばっかり言うの~っ?」

「ごめんごめんっ!!」

「あっ!!ちょっと待ってーっ!!」

櫻が何かの店に気付いて走っていく。

「和樹くーんっ!!白雪姫のコスチュームの貸し出しがあるよーっ!!和樹君が王子様で、私がお姫様になりたーいっ!!」

大きな声でこんな事を言われると、和樹はとても恥ずかしそうにしていた。

「もう…………子供じゃないんだから大きな声で言うなよ…………?」

「ごめーん。でもね?でもね?ドレスが着たいんだもんっ!!」

「じゃあ一人で着ろよ?」

さすがに修学旅行で遊園地に来て、王子様の格好をするのが恥ずかしい和樹だった。