幼馴染み~初恋物語~

お化け屋敷から出てきた和樹は、さりげなく手を握ってきた。

お化け屋敷で抱き締めた事により、ほんの少しだけ大胆になったのだ。

「次は何にする?」

あれだけ怖がっていた櫻は、意気消沈。

「何でもいいよ…………」

「じゃあ櫻が乗りたいって言ってたメリーゴーランドにしよっか?」

「うんっ!!」

メリーゴーランドに乗ると、周りは子供達ばかり。

同級生達は、ジェットコースターなど大人向けの乗り物に並んでいるので、メリーゴーランドには、そうそう乗ってこない。

そんな中、少し照れている櫻が馬の前に乗ると、和樹が後ろに乗った。

背中が密着して、和樹が馬の頭の手すりを持つので腕が触れ合う。

櫻はこういうのを待っていた。

自然と笑顔になる。

「楽しいね~?」

「そっか?」

「うんっ!!和樹君と一緒にこういうのしたかったから…………」

健一とメリーゴーランドに乗った時、和樹だったらと思った願いがやっと叶った瞬間だった。