幼馴染み~初恋物語~

二人でババ抜きをしても、相手が何を持っているのかわかるので、そんなに盛り上がらない。

それにお互いに、なんとなく気まずい気持ちもある。

「次、龍聖君の順番だよ?」

「あぁ…………」

この程度の会話しかなく、地味に二人でババ抜きをしていたが、龍聖が櫻のジョーカーを引いてくれると嬉しくて笑った。

「やったっ!!にひひっ!!」

「わざと引いてやったんだよ…………」

「何?その負け惜しみ。龍聖君って負けず嫌いだねぇ?」

龍聖は負け惜しみではなく、本当にわざと引いたのだ。

櫻がジョーカーを持つと、じっとジョーカーを眺める癖がある。

そして龍聖の手がジョーカーに触れると、唇が少し緩む。

まるで幼稚園の子とババ抜きをしているような感じだった。